デニムの着物とジャンバルジャン
年が明け、今日はや2月3日節分です
毎年のことながら成人式やら来年度の振袖予約やらで一月は忙しくて、新年を感じる暇がありませんでした
店長日記も久々です
今年のあかねやはどうあるべきかと遅まきながら自身に問いかけているのです
そんな時、昨年末の二つの事が思い出されました
その一つはある着物好きの男性と話した時のこと、私はお客様に愚痴っていました
「あかねやはお陰様でお客様は少しづつ増えたけど、儲かっていないんよ・・・
出来るだけ安く、そして普段でも気軽に着れる着物をとデニムの着物やらお古着やらを勧めるので単価が低いですよ・・
どんなに安く販売してもユニクロみたいに大量に売れるわけじゃないのでね・・
やはり単価の高い洗利の大きいものを販売していかないと厳しいかな~とね!
でもそんな事ををしたらどこにでもある呉服屋になってしまうしね~
普段から着物を楽しんでほしいというあかねやのコンセプトがくるってしまうしね~」
などと愚痴りました
するとその着物好きの男性は、「昔、昭和初期や大正時代にデニムの着物があればみんな買ったんじゃないですかね・・・」と一言ポツリ
私ははっとしました
毎日着物で生活していた時代は正絹の着物など庶民は買えず
買うことが出来ても礼装用だけでした。
正絹でなければ着物じゃ無いなんていう固定観念が自分にもまた大多数の呉服屋にもあるんじゃないだろうかと思いました
普段でも和服を楽しんでもらいたいというあかねやの願いを実現するためにはデニムの着物や綿の着物のシルクウール(自宅で洗える着物を)をこれまで通り頑張って勧めて行こうと思いましす(経営面では厳しいけれど)
そして二つ目の小さな出来事
映画好きの私が年末に見た<レ・ミゼラブル>でジャンバルジャンが地獄のような牢から出たときの一言が気に入りました
「神がこれからの私をどうするか見届けてやる」
そうです独立して16年! サラリーマンの時代のほうが気楽でよかったのかもと思うときももありますが、唯一楽しいのは自分が信じる商いが出来ることです
精一杯やるだけです。(店主)